NPO法人 山の自然学クラブ 三陸・北上地域の活動

活動レポート

2013年4月27日~29日 三陸現地講座 本吉~気仙沼・気仙沼大島

「山の自然学クラブ・海べの森をつくろう会共催 現地講座 〜 始めよう!地元学」

Photoレポート

4月27日(土) 仙台駅にて集合〜志津川方面〜荒砥崎方面・権現

仙台で集合後バスで志津川へ。南三陸さんさん商店街が最初の訪問場所。
商店街のすぐ脇にできた、JRが運行するBRTの志津川駅。まだ真新しい。
伏房崎付近の海岸で最初の地層観察をしました
近くの家では、地元で産出するスレートを使った屋根がみられます
海岸では、地層がはっきり観察できます(露頭)。このあたりの地層は、ジュラ紀後期に深海底に堆積した地層(袖ノ浜層)です
静かにゆっくり沈殿した黒い泥の層・泥岩と、大きなイベントにより短時間で一気に積もった白っぽい砂の層・砂岩。古代の海底の出来事がわかります。さらに白亜紀(1億年前)北上山地の造山期に貫入したマグマ・ヒン岩がみられます
海底で堆積した地層には生物が這い回った跡や水の流れで形成された模様など、そこかしこに1億5千万年も前の痕跡が!
堆積状況から、当時の出来事を推理します。どちらに陸地があったかということも。地質探偵!

4月28日(日) 現地参加の方を迎えて。岩井崎〜前浜〜大谷鉱山〜登米沢の海岸

<岩井崎>

現地参加の方が岩井崎で合流。
「始めよう!地元学」
山の自然学クラブと海べの森をつくろう会 参加者は小型バス1台ずつ。たくさんの方に話を聞いて頂きました
参加者が降りていく先に拡がるのはペルム中期(何と約2億5千万年前)の生き物が堆積した石灰岩。 この地域の研究の第一人者、弘前大学の鎌田耕太郎先生の話に興味津々。。
さっそく化石を発見!地元でも松葉石などとして知られています。
図鑑や教科書に出てくる化石がそこかしこに。このあたりでたくさん見られるウミユリは棘皮動物門に属する古代生物。
全員化石探しに夢中。。
これは何の化石?このあたりはどんな環境だったの?このころの地球は?大陸の位置は? 先生に質問攻め。
海沿いを移動しながら観察します。すると、違った種類の化石が見られるようになります。
こんなところに、有孔虫フズリナの化石が!みんな我先にと観察。気をつけて順番に観察しました
指の右上は大きな貝の化石。
こんなにみごとなサンゴの化石も見られました。まるで宝石やさんです。

<前浜>

前浜にはペルム紀後期の登米層が広く分布。このあたりは登米層の泥岩が割れにくく、生痕化石などの観察に好都合
ペルム紀後期は、徐々に地球の環境が悪化し、生物の種類が少なくなったり、変わっていったりする。そのあとの大絶滅を予想させます
漁港の向かい側には気仙沼線の線路が見えます。実はこちら側は古生代、向こう側は中生代。古生代ペルム紀から中生代三畳紀へ大きな時代の変わり目が。
ここはその境目の現場です。地球上の実に90%の生物が絶滅したと言われる、この生物激減の原因とは?思いを馳せる。

<大谷鉱山歴史記念館>

地域経済を支えた金山の歴史は、様々な弊害との戦いでもあります
満開の桜の下で昼食タイム。背景には精錬所の跡が見えます。手前には湧水を浄化するプールがあります

<旧本吉町・登米沢の海岸>

このあたりではぐっと新しい(といっても320〜330万年前の)鮮新世の堆積物や火山灰層を観察します。
埋まっているのは何百万年も前の樹木!このころ活発な火山があり、その火山灰で埋まっています
背後に海があることも忘れる熱心ぶり;たまに背中に波を受ける方も;
この頃の日本列島はだいたい今の形になりました。中央山脈では火山活動が活発だったころです
一番奥の方で観察した珍しい丸い粒「火山豆岩」です
三陸地域全体の成り立ち、大断層も地質図で確認。

4月29日(月) 大島にて

3日目、大島の最高峰亀山からフェリー港(浦の浜)を望む。
当日は椿まつりが開催中。ボランティアの方々が椿を植樹していました。
大島の突端、龍舞崎へ。
大島はジュラ紀の地層が広く分布し、前期白亜紀の堆積物を伴います。落ちている岩にもたくさんの化石が。
砂岩や泥岩、石灰岩からなり、二枚貝や巻き貝、アンモナイトを産します。
トリゴニアもたくさん!! 化石の図鑑をみているようです。


椿まつり最終日を迎えた、中山農場、椿の杜公園を訪問しました。
白やピンクのものなど、様々な珍しい品種の椿が育てられ、美しい花を咲かせていました。見事です
ボランティアの方々が植えたハーブなども栽培中。訪れる人の憩いのガーデンとなりそうです
小野寺さんの情熱あふれるお話を伺うことができ、一同心を熱くしました。お忙しいところ時間を割いて頂いてありがとうございます
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