第5回 ネパール普及活動経過報告 /長谷川博文 2010年5月5日
期 間: 2010年4月2日〜10日
*以降 大森 11日〜19日(帰国) ゴジュンバ氷河調査活動
長谷川 11日〜16日(帰国)チトワン国立公園自然観察
参加者: 大森、長谷川
宿 泊: カトマンズ 大森 シャムさん宅 長谷川 ホテルヒマラヤ、キド
ポカラ 2人共 マムズガーデンリゾート
このページはテキストデータのみで見づらいので、こちらで同内容のワードファイルをダウンロード頂けます
経過
4月2日(金)
朝、強風で私鉄の運休が多く、成田空港での待ち合わせは出来ず。
バンコック空港で会う。気温30度超え、ムッとする。花々が美しい。
バンコックグリンガーデンリゾート(泊)
4月3日(土)
バンコック⇒カトマンズ。カトマンズ市内は埃と雑踏、けたたましい警笛、色とりどりの民族衣装と顔立ち、相変わらずの光景だが、政治事情からの人口増と長い乾季で水事情が可なり悪化している様子。
ホテルヒマラヤとシャムさん宅で荷を解き、早速行動開始。
△Chlnakhel
NursaryへKuninarさん(80歳)に会う。休日でも働いていた。(600粒配布)ホテルヒマラヤ、シャムさん宅(泊)
4月4日(日)
カトマンズ⇒ポカラ常宿のマムズガーデンリゾートへ(オーナー宮本ちか子さん)種々情報、通訳、タクシーの世話などコーディネート協力者。庭の花壇に4年経過の藪椿50〜60cmで5本生育。
初通訳のソビタさんに会い、活動の説明後に出発。
△InternationalMountainn Museum(IMM)訪問
館長のRaiさん、JICAシニアの伏見さんに会う。伏見さんにヒ
マラヤでの氷河の推移や決壊の話を聞く。大気汚染がひどく、マチャ
プチャレの姿が段々見られなくなっているとの事。
大ホールに大森さんの写真が飾られた。(日ネ50周年記念の際に秋
葉原の会場に飾られたもの)
△河本琢郎、Sitaさん(車椅子)宅訪問Sitaさん勤務の、らい病患者復帰センターで管理責任者に会い栽培場所や播種方法の説明を依頼され、後日再訪約束
△Hanndicapped Childrens Centre(キリスト教会)訪問
植木鉢(19鉢)で生長していた椿の姿が消えて居た。建物裏に放置
されていた。事務管理担当者移動であった。ネパールで良くあるケー
ス。IMMの伏見さんよりTELあり、再度IMMへ。
△IMM館裏手の並木横の園路脇に1m間隔で90本(20cm高)
植えられていた。毎日の水遣りと木陰での乾燥防止で生育。
正門脇のフェンス沿いの約20本は姿を消していた。(600粒配布)
○大森さん旧知の伏見さんの奥さんを含めマムズガーデンで夕食。
マムズガーデン(泊)
4月5日(月)
アンナプルナ山群のサンライズを見にサランコットへ(長谷川のみ)
協力者のスニールさんに会う(2日間案内依頼済み)
△Baili村Bislowさん宅訪問(ミカン、コーヒー等コミュニティ責任
者)2年前播種畑に約80本(20〜30cm高)で生育
熱心な方だけに多くの課題が提起された。
1コミュニティの仲間に進める為に生育に必要な資料の提供依頼
日本の場合で結構播種場所、肥料、手入れ、移植、開花結実年
齢、油の用途
2採算A菜種、大豆の油との比較(成分、コスト、価額)農村部では菜種油を整髪や肌の保湿に使っているらしい
Bミカン、コーヒ栽培との比較(コスト、価額、販路)
3経済的支援の要望
此方の意図は、成果物は差し上げますから樹を増やして下さい。
藪椿の種採取から配布迄、ボランティアで多額の費用を負担しているので経済的支援は出来ない。
先方は、手間暇と肥料代がかかるので打合せや説明会の材料費など、JICAなどがやっているのと同じ様にお願いしたいとの事。(600粒配布)
約6時間話し合い。産直のコーヒー豆、粉を購入して帰る。
マムズガーデン(泊)
4月6日(火)
△カスキ郡農業開発センター(ダムサイト)訪問
管内の窓口、同所には苗床は無し
探していたJOCBの堀さん(女性、日大農学部卒、農村部のコーヒ
ー、ミカンの普及活動)は此処を拠点にしているとの事を確認、本日
は現場。5日と同じ資料をつくり再訪予定。公共苗床の紹介期待。
△Agricuture Research Center(マレパタン)訪問
技術主任のタパさん休みでお会い出来ず。
見事な椿畑が展開されていた。
昨年訪問した時は、案内者が不親切で、椿畑が移動され、面積が圧縮
された印象が強く気落ちして帰った。
約700平方Mに、植え方を替え、乾燥防止の工夫など可なり研究し
取り組んでいる所が目に就く。
径12mm、65cm高で枝分かれが進んでいる姿を見て強い安堵感
を覚えた。
やがて、此処が椿園となり、ネパールでの椿の展開の発信基地になる
事が予想される。(1500粒配布)
△Kharikuna Village(アルマオ行政区) グルン族の村訪問
Hari Bhakta Gurungさんグルン族は綺麗好き、植物を大事にす
るとの事。村の長老たちは9時前に来ないと会えないとの事。再訪。
○マムズガーデンに戻ると伏見さんから夕食招待の電話あり。
○次回、スニールさんに、もっと活動に参加して貰うよう配慮する。
△伏見さん宅JOCBの堀さんを呼んで戴いていた。8日に協力を依
頼する。停電でロウソクでの食事。趣が有って素晴らしかった。
心づくしの御馳走に舌ずつみ。有難う御座いました。
マムズガーデン(泊)
4月7日(水)
通訳のソビタさんとダンプスへ
△Dhaulagiri View Hotel訪問オーナーのGurungさん、息子さん
庭と庭斜面に10本位、20cm高
植える場所と播種法指示。(1200粒配布)
△ゲストハウス「月の家」訪問バハドルターさん
庭に50cm,35cm各1本あり。(300粒配布)
△ゲストハウス「やまさくら」訪問オーナーのGrungさん
畑を見せて貰い(300粒配布+油見本)、昼食
チベットの行商女性のはしゃぎよう。頭髪に椿油だらけ。
○期待していた、小学校のラリット先生不在、自宅の庭の椿全滅とか。
△カスキ らい病患者復帰センター訪問管理責任者と面会
Sitaさんの発案で、広大な敷地に椿林をつくる。
樹を育てる事が、心身のリハビリになるという考えで。
又、収穫の椿油の利用で運営費を補うなど夢を見て居る。
6日に訪問したマレパタンのナサリーの技術主任タパさんの連絡先
を紹介。指導を受けたら良いと進める。(1000粒配布)
マムズガーデン(泊)
4月8日(木)
JOCBの堀さんマムズガーデンへお出でに、10時出発
△Parajuli ChapakotのParajuliさん宅訪問(篤農家)ブラマン族
JOCBでは養蜂で長くのお付き合い。作物は格安で近隣住民に分けて
居るとの事。
苗床作りと播種作業を一緒にする。肥料は牛糞と枯れ草、鶏糞で手際
よく出来上がり。さすが農民。
取り立ての果物、乳製品を御馳走になる。(4000粒配布)
○夕食堀さんとペワ湖畔の日本食堂「古都」で
(4000粒渡す)配布依頼するマムズガーデン(泊)
4月9日(金)
ポカラ⇒カトマンズシャムさんに案内依頼*種は無し
ホテルヒマラヤ打合せ、マロニエで昼食
△Floriculture Development Center(ゴダワリ)訪問
椿苗2009年11月配布分ポット植え5cm高、葉2〜4枚
200P
2009年4月配布分ポット植え10cm高、葉4〜6枚
200P
それ以前のは全て販売済み
△Modern Gardening Service (ゴダワリ)訪問Silwalさん
私営の庭木屋さん、ポット植え
2009年11月配布分5cm高、葉MAX4枚600P々4月々10cm高、葉4〜6枚200P
1ポット20Rs(約30円)で販売
△Lovely Pets Cymbidium Orchid(ゴダワリ)訪問Acharyaさん
藪椿の説明。次回種の持参を約束。
○12日〜14日チトワン国立公園を予定していたが、12日ゼネスト
の情報でスケジュールを1日前倒しに。通訳兼案内人のシェイリンド
ラさんに会う。
○夕食マロニエホテルヒマラヤ(泊)
4月10日(土)
○イノシシ鍋の店で業者とチトワンの件で打ち合わせ。
○昼食古都(王宮)
△Shivapuri Nagarjun National Parkのチベット寺院訪問
自然豊かなこの地での藪椿植林は如何と、理解して戴き中止。
以前、日本山岳会で植林した場所での追跡調査。多くの樹木が融けこ
んで生長している姿が見られた。
○夕食田村ホテルヒマラヤ(泊)
*10日で実質的に、今回の藪椿種配布活動は終了
今回、種配布先を調べてみると
- 1 市街、郊外で、農作物、草花、樹木の栽培を中心とした公共の試験所、研究所、開発センター、育苗センターで成果物を有料、無料で提供している所である。栽培研究者、管理経験者などで、又大量に配布出来る場所で、活動の中心をなす。
- 2 市街、郊外で、私営の庭木・園芸店で栽培経験者が、無償の種から有償で苗木を販売出来るところから意欲的で、此れからもっと店舗を探したい。
- 3 山間部の集落(農家): 種配布で最もタフな活動域である。タクシーで砂埃を挙げ乍らガタガタ道を登り、途中から山道を歩く。2つのタイプ分けられる。
- A 有益な種を無償で貰えるならやってみようか。
- B 成果物を期待し、播種し、生育管理に積極的に取り組む。
- 4 市街、郊外の諸施設の庭: 国際山岳博物館、病院、障害児センター、ホテル、ゲストハウスなど。庭木を楽 しむ。
- 5 民家の庭: 庭木愛好者。希望者に配布。
絶えず配布先候補の情報収取に取り組んでいる。
今回出て来た課題は、従来から種配布の際、椿の樹の花、果実、油の話、地質、気候の違い、開花年齢、播種場所と方法、移植及び乾季の水遣り、直射日光の遮蔽策など説明してきたが、特に意欲的な方々は採算面(コスト、他作物との比較)を重視し、マーケットに関心を持たれている。これから対応の必要資料を作成して行く。
◎9月に伊豆大島で藪椿種採取を行います。ネパールにも来年4月に参ります。是非御参加下さい。