春の玉川上水を歩く 〜羽村の堰 /写真:下田 孝・大森弘一郎 2010年5月9日
● 日時: 2010年5月9日(日)
● 場所: 羽村の堰取水口〜玉川上水
● 当日のルート: 国立駅集合/小平監視所付近/金毘羅橋/狭山ヶ池/残堀川/福生―水喰い土(工事失敗の痕)/羽村マイマイズ井戸跡/羽村取水場/羽村郷土館/立川
● 案内: 大船武彦さん
● 参加者:23名 (会員17名、一般6名)
大船さんの案内で、新緑の美しい玉川上水を歩きました。
小平監視所の付近からは、村山浄水場へ上水が分岐し、利用されています。
分岐の後は「せせらぎ復元」事業で流れが修復されていますが、水量はずっと少なくなります。
玉川上水は一箇所、残堀川と交差します。今回の講座の目玉ポイントのひとつです。
残堀川は狭山丘陵の狭山ヶ池を水源とした、武蔵野台地を南北に流れる川です。プリンス自動車(現・日産)村山工場建設のとき、河道は工場用地の西側を迂回するように大きく変更されました。
上水が残堀川をくぐったサイフォン出口です。奥に左写真の橋の欄干が見えていますが、その下が残堀川です。
ところで玉川上水が作られる以前の武蔵野は、どのような環境だったのでしょうか。
それを知るひとつの手がかりが、このまいまいず井戸です。
水を得にくい台地である武蔵野には、このような井戸が各地に掘られてあったようです。
羽村の駅近くにあるこの井戸は、昭和30年代まで使われていたこともあり、今でも水を湛えています。
今日の締めくくりは、玉川上水の取入口、羽村の堰です。
まずは草花丘陵に登って、狭山丘陵と多摩川の位置を確認します。
右の写真は多摩川下流側から見た取水堰(中央右)の遠望です。
多摩川から水の入った第一水門です。
手前の流れが玉川上水へとつながっています。水の大部分はここから村山・山口貯水池に送水、さらに小平監視所で残り部分のほとんどが東村山浄水場に送られることになります。
きょうは、現在でも「上水」として使われている玉川上水を、たっぷりと見学した一日でした。新緑の中を流れる水が美しく青空を写していました。
”水の国 ニッポン”を大切にしていきたい、との思いを新たにした一日でした。