2014年 高山植生モニタリング報告

 2014年8月1-4日に木曽駒側調査地と島田娘の風衝地草原の植生調査および写真撮影を行いました。

 今年の千畳敷カールにはまだ多くの雪が残っており、雪解け傾度に沿って色々な花が咲いているのが見られました。

3番の調査地であるハイマツ帯の温度を見てみると、雪解け時期は2010年と同様遅めだったことが分かります。また例年あまり雪の積もらない1番の構造土の調査地の温度を見てみると、4月後半の地温がほぼ0度で安定していることから、この時期にまとまった積雪があったことが伺えます。関東甲信越の平地では2014年の2月に記録的大雪がありました。飯田の観測所(標高516m)でも観測史上1位の積雪が記録されていますが、木曽駒の調査地の温度データからは読み取ることはできませんでした。

 ハイマツサイトや島田娘の東斜面ではハイマツが枝を伸ばし拡大している様子が観察されます。一方島田娘の北斜面の1調査区ではハイマツが枯れてきている所がありました。日本の高山帯ではハイマツの有無によって植生が大きく変わるので、ハイマツの分布の変化と植生の変化も捉えられるといいなと思います。

 
東側の調査区。左が2008年、右が2014年の写真

 
北側の調査区。左が2008年、右が2014年の写真

 今回は2日以降雨の多い肌寒い中での調査でした。ご参加の皆様本当にありがとうございました。