2008年 高山植生モニタリング 予備調査報告
2008年6月15日に駒ケ岳周辺の調査地の下見をしてきました。千畳敷から稜線までは1m以上の積雪でしたが、稜線は大部分雪が解け、植物の開花が始っていました。(開花していた種:ガンコウラン、ミヤマキンバイ、コメバツガザクラ、ウラシマツツジ、ミネズオウ、オヤマノエンドウ)
昨年の10月25日に、調査地に温度計を埋め、1時間間隔で地温を自動的に記録してきました。一部温度計回収して地温の様子を見てみました(図1、2)。青い線は調査地1の構造土サイトに、赤い線は中岳のハイマツ帯に埋めた温度計のデータです。
調査地1は積雪量が非常に少ないため、冬季の地温は−20°Cになる日もあります。温度の日較差も大きく、秋や春は土壌の凍結融解が繰り返されていることが伺えます。一方、調査地3は積雪による断熱効果により、温度の低下は−10°C程度にとどまっています。積雪期の温度の日較差は小さく、雪解け後に急激に日較差が大きくなっています。ハイマツは冬の間雪に覆われる所に生育しますので、妥当な結果だと考えられます。